[視点]作家育成からメジャーデビューまで〜comicoの積極展開

2015年2月3日 / ニュース, ニュースキュレーション

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 “タテ読み”で知られる電子コミックサービスcomicoに関する話題が二つある。一つはcomico発の人気漫画がテレビアニメ化されるということ、もう一つはcomico公式作家を目標とした講座が総合学園ヒューマンアカデミーで解説されることだ。また、comicoの人気コミックはKADOKAWAからも出版されることが発表されている。これらのニュースを総合すると、comicoは作家養成、comicoでのデビュー、そしてテレビアニメや商業出版物でのメジャーデビューという一連のシナリオを用意する戦略のようだ。コミック出版社はこのような育成からデビューまでを担ってきたが、comicoは新しい方法でそれを実現しようとしているようにみえる。コミック市場が拡大するなか、comicoの戦略は興味深い。

アマゾンの電子教材プラットホームKDP EDU発表

 アマゾンがKDP EDUというキンドルのプラットホームでデジタル教材の配信サービスに本格進出する。キンドルダイレクトパブリッシング(KDP)のEDU(教育;Education)の意味が込められているのだろう。

 KDP EDUでは、すでにPDFで作成されているオリジナルとなる教材に専用オーサリングツールであるキンドルテキストブッククリエーター(Kindle Text Book Creator)で加工をする。記事によれば、「重要な概念をわかりやすく際立たせるために複数の色を使ってハイライトを付ける」「重要な文章、画像、ブックマークを自動的にまとめて講義ノートを作成できる」などのようだ。

 すでにアップルはiブックスオーサーというデジタル教材のオーサリング環境をリリースしているが、こちらはどちらかというと教材を最初から作成することが意識されている。一部ではそれを補うようにTeXで書かれたドキュメントをインポートするプラグインも出ていた。それに対して、KDP EDUでは既存の教材、それらはおそらくワープロなどで作成されていて、PDF化することは容易だということから、それを元にしてキンドル用に生成するということが大きな違いだ。既存のリソースを取り込むという意味では非常に戦略的なアプローチといえる。

 昨年来、電子教科書や電子教材の話題がにぎやかだが、日本でも特に高等教育では学生数の減少、内容の更新などが求められることなどから、本として印刷することがコスト的に合わなくなっていて、いかに学生に教材を配布するかは教育現場での悩みのタネだ。教科書の電子化とあいまって、こうした教材をKDPプラットホームで配布するというメリットは十分にありそうだ。

ニュースソース

  • comico発の人気ギャグ漫画『ナルどマ』がテレビアニメ化[eBookUSER
  • 目指せ公式作家――総合学園ヒューマンアカデミーでcomico公式作家を目標とした講座開設[eBookUSER
  • Amazon、Kindleデジタル教科書に本格進出〜AppleのiBooksと異なり、AndroidやPCでも利用可能[INTERNET Watch

 編集部

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