[実証実験]引っ越しから3週間、EPUBとWebの違う点
2015年6月2日 / 実証実験レポート
EPUBマガジンOnDeckがWebに引っ越してから3週間。今回は、編集部の発行体制などを中心にEPUB時代との違いを紹介します。
アプローチ方法が多様になったWeb版OnDeck
EPUBからWebに移行して感じたのは、読者の動きが手に取るようにつかめるという点です。EPUBの場合、ダウンロード数まで把握できましたが、どの記事にどんな反応があったのかまでは把握できませんでした。一方、Webの場合、当たり前ではありますが、記事単位でアクセス数を把握できるため、読者の関心がどの方向にあるのかが簡単に理解できるようになりました。
また、EPUBの場合はメールによる案内でしかOnDeckに誘導できなかったのですが、Webではメールはもちろん、Facebookからも直接誘導できるようになったのは大きな進展です(Webメディアでは当たり前のことですが…)。
ただし、課題も明らかになりました。これまでOnDeckを購読していた方、およびFacebookにいいねしている方以外のアクセスがほとんどないという点です。EPUBというクローズなメディアからの脱却はまだまだできていないというのが現状でしょう。
作った感が乏しいWeb版OnDeck
編集・制作面をみてみると、EPUBとは異なりWeb版の作業は非常に楽になりました。執筆された記事を編集部でチェックし、問題なければ公開する、という手順です。EPUBのときは、1号分の記事を収集してからパッケージングし、パッケージングしたファイルをチェックし、配信準備に入る、という手順です。つまり、パッケージングの手間とパッケージング後のチェックの工程がなくなったため、作業が非常に楽になったということです。
一方、楽になったがために編集現場としては“作りあげた”感が乏しくなっているのは否めません。記事そのものは同じものなのですが、パッケージングという工程がないだけでかなり印象は違うものだと実感しました。OnDeck読者のみなさまも、記事としては同じであっても“読んだ”感が乏しくなっていないかどうか、気になるところです。
今のところ、EPUB時代の作り方が続いているため、Webっぽくはないのですが、早い段階でWebなりの表現に切り替えたいとおもいます。もちろん、単なるWebサイトになってもおもしろくないので、OnDeckならではの工夫は検討中です。