[視点]楽天がkobo株式を減損処理〜市場の立ち上がりの遅れから

2016年2月22日 / ニュースキュレーション

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 2月12日、楽天は関係会社株式評価損623億円を個別決算に計上したと発表した。このなかのKobo関連としては、のれんの減損として78億円の減損損失を計上している。楽天はKoboは2011年11月におよそ236億円で買収し、電子書籍事業を展開している。今回の減損処理は「世界の電子書籍市場の立ち上がりが当初の想定よりも遅れ、それに伴う事業計画の遅れが要因」だとしている。
 日本において、Koboはアマゾンのキンドルに続く専用eリーダーを提供する国際的な電子書籍プラットフォームであるが、日本ではテキスト系の電子書籍の市場が伸び悩み、パソコンやスマートデバイスでコミックを閲覧する電子コミック市場、そして月額定額制の電子雑誌市場が活況である。また、国際的には大手出版社が電子書籍ビジネスに対して慎重になっていて、各社とも電子書籍の売り上げ構成比が落ちているという業績報告があることから、市場全体としては「遅れ」が生じていると考えられる。
 今後、急速に改善をするための大きな節目は見当たらないが、一つの鍵となるのはセルフパブリッシング市場動向にあると思われる。また、日本においては、Koboがコミック作品の閲覧環境、そして品ぞろえの戦略をどのようにするかにかかっているのではないか。さらに、電子図書館事業のオーバードライブとの連携なども重要だ。

ニュースソース

  • 楽天、電子書籍子会社のkobo株式を減損処理 「事業計画に遅れ」[ITメディア

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