[実証実験成果報告 01]EPUBマガジン「OnDeck」創刊(2010年12月)
2016年4月11日 / 実証実験レポート
2010年の創刊以来、電子出版に関するさまざまな事柄を自媒体を用いて実験してきました。本連載では、OnDeckがこれまでに手がけてきた実証実験の成果をレポートします。
2010年12月22日、EPUBマガジン「OnDeck」は創刊した。
記事執筆から集稿、校正、レイアウト、そして発行まで、リフローメディアを用いた雑誌の発行では、すべてがはじめての取り組みとなった。もっとも影響があったのが、「ページ」という概念が持てないということ。原稿執筆の際、ボリューム感がつかめず、どの程度書けばいいのかという戸惑いが起きたのだ。加えて、読者の環境によっては一画面あたりの表示文字数が異なることも戸惑うことになった。出版人の多くが、ページという枠を基準に物事を考えていたことがわかる事例だった。
このほか、「EPUB」というメディアフォーマットを最大限活用するルール作りにも苦労した。たとえば、1記事1ファイル(XHTML)にするというのは、シンプルながらもEPUBによるメディア制作の基準となった。また、構造とスタイルの分離は、リフロー形式のコンテンツの基本として現在も運用している。
EPUBというメディアフォーマットで一から検討した経験は、電子出版社として現在にいたるまで有益なものであった。
ポイント:
・電子書籍(EPUB)はウェブ(HTML)の延長技術。
・紙の出版物の視点ではなく、ウェブの視点でコンテンツを作ることが重要。
関連号:
・OnDeck創刊号
・OnDeck 2011年1月18日号(創刊2号)
※EPUB表示にはbib/iを利用しています。
関連リリース:
・EPUB による週刊電子雑誌「OnDeck」創刊