[視点]米最高裁がグーグルブックスの書籍スキャンをフェアユースと認定

2016年4月26日 / ニュースキュレーション

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 10年に亘る裁判がついに終わった。グーグルは世の中で出版されているすべての書籍をスキャンし、インターネットで検索可能にするという、当時ではとてつもないと思われるサービスを開始した。このサービスをめぐり、オーサーズギルド(著者の業界団体)との裁判において、米国最高裁判所は「フェア・ユース(公正な使用)」であると認定をした。グーグルがスキャンしたデータは原作品の「代替品」になり、著作権者に経済的な損失を与えるものではなく、著者に新たな読者を提供するというグーグルの主張を裁判所が認めた。
 およそ10年前、電子書籍や出版業界に対して、大きな影響力を持つようになると思われていたグーグルだが、この裁判をきっかけに出版業界(著者と出版社)との関係は良好なものとはいえなくなり、この分野でのグーグルの存在感は大きく失われることとなった。こうして、やっと裁判所の判断が出たが、現在もグーグルの関心は出版物のデジタル化にあるのだろうか。いまや人工知能、自動運転、ロボットなどに移っているようにも思える。グーグルによって、人類の知(書籍)へアクセスできた方がよかったのか、それともアクセスできなかったとしても、それほどこの社会は変わらないものだったのか。評価が定まるまでにはもう少し時間が必要だろう。

ニュースソース

  • 米最高裁、Googleブックスの書籍スキャンを公正使用と認定[TechCrunch

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