[視点]新たなレコメンドエンジンの登場

2015年1月20日 / ニュース, ニュースキュレーション

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 電子書籍のディスカバラビリティーは大きな課題となっている。プリント版書籍のように、書店の棚での陳列効果や装丁などに頼ることはできない一方、検索キーワードを意識してメタデータを工夫したり、タイトルを付けたりすることが有効だといわれているがそうしたノウハウも確立されていない。もちろん、SNSや書評サイトを積極的に利用することも重要だ。しかし、効果的なメタデータの生成やレコメンドをするアルゴリズムなどはまだまだ発展途上だ(厳しめにいうと、大きな進歩が見られない)。そのようななか、レコメンドエンジンを提供するTrajectoryというサイトが紹介されている。これは2014年夏、アップル社がBooKLampという電子書籍の内容を解析する技術を買収したことが話題になったが、それに続くものといえるかもしれない。今後、こうした技術がさらに磨かれて、サービスインをしてくるだろう。

 しかし、こうしたサービスは言語に依存しているため、日本語化はそう簡単ではないのではないか。最近のIT技術全般を見渡してみても、最近ではビッグデータ分析だとか、ディープラーニングだとかと、高度なアルゴリズムやアプリケーションに注目が集まっているが、意外と自然言語を扱う技術はない。例えば、文字校正の技術ひとつとっても校正作業を完全に置き換えるようなものはないのが現実だ。こうした言語、特に日本語を扱える技術が確率しないことには日本の電子出版の市場拡大は望めないようにも思う。

ニュースソース

  • 作品内容の複雑さ・密度など解析する電子書籍レコメンド代行ベンダー「Trajectory」[hon.jp DayWatch

 編集部

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