[視点]紀伊國屋書店が法人向け電子書籍販売を開始

2015年1月27日 / ニュース, ニュースキュレーション

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 紀伊國屋書店は法人向けオンラインストアで電子書籍の取り扱いを開始した。電子書籍は主に個人向けの用途しか想定してなく、基本的には一つのユーザーアカウントでしか利用できなかった。法人で利用するにはアカウントの使い回しなどをしない限り、事実上は利用ができなかった。今回の法人向けサービスでは一つの法人アカウントで5台の端末まで利用が可能になるようだ。ところで、このような利用形態の場合、出版社や著者に対してはどのような支払い条件が設定しているのだろうか。詳細は記事からはわからないのだが、電子図書館での複数人で利用する場合と似たイメージになるのだろうか。そうだとすると、法人向けに販売するには、あらかじめ出版社や著者と条件交渉が必要になるだろう。

 いずれにしても、近い将来には電子図書館での利用開始も見込まれていることから、出版社の営業部門はこうした多様な利用条件に対応していくことが求められるようになり、出版社にとっては従来の売り上げ管理よりもさらに複雑になっていくだろう。

イングラムグループが書籍のリミックスプラットホームを公開

 アメリカの電子書籍の流通事業者大手のイングラムグループがイングラムコンストラクトという“マイクロコンテンツ”というウェブプラットホームを開始した。これは電子書籍の内容を部分ごとに選んで、自分に必要な構成に組み合わせることができるという“リミックス”ができるようになるというものだ。およそ2年前に、イングラム社はスライスブックスという企業を買収していて、そのサービスが進化したものといえるだろう。リミックスしたコンテンツは電子書籍として流通させたり、プリントオンデマンドでプリント版を印刷したりできるという。

 日本でも、JTBパブリッシング社がリミックスのサービスを提供していて、2014年のJEPA電子出版アワード大賞を受賞したことは記憶に新しいところだ。今後、教科書や教材、技術資料などで、このようなリミックスのニーズは高まるのではないかと思われる。

ニュースソース

  • 紀伊國屋書店、法人向けオンラインストアでKinoppy取り扱い開始、公費で購入可能に[INTERNET Watch
  • 米Ingramグループ、電子書籍をリミックスできる出版社向けWebプラットフォーム「Ingram Construct」を発表[hon.jp DayWatch

 編集部

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