[視点]プリント版出版物の推定販売金額が昨年比4.5%減
2015年2月3日 / ニュース, ニュースキュレーション
出版科学研究所は2014年出版物発行・販売概況を発表した。すでに一般紙、専門誌でも報じられている通り、過去最大の落ち込み幅を記録したという。この発表によれば、プリント版出版物の推定販売金額が前年比4.5%減の1兆6065億円で、対前年比の落ち込み幅は1950年の統計開始以来で最大となった。そのうち、プリント版書籍は対前年比4%減の7544億円、プリント版雑誌は対前年比5%減の8520億円ということだ。その理由としては消費税増税の影響を上げているが、過去の流れからみると、それは落ち込みを加速させる要因ではあったかもしれないが、主要因とはいえないのではないかと思う。また、コミックのように、電子版の大きな市場拡大が加味されていないことから、今後は電子版の成長と合わせて考察が必要だとしている。
プリント版の縮小と電子版の拡大を重ねあわせたとき、プリント版から電子版へ順調に移行をしているのかどうかという点についてどのような考察をするかは本誌にとっても重要な話題であり、今後、あらためて扱っていきたい。
リアル書店とネット書店の利用実態調査結果発表
日本通信販売協会(JADMA)がリアル書店とネット書店における利用実態調査の結果を発表した。40歳代を中心に、ネット書店でプリント版書籍を購入する傾向が高まり、60歳代になると書店での購入率が高まる。また、ヘビーユーザーほど、ネット書店でのプリント版書籍の購入が高い傾向にあることがわかる。10歳代がネット書店の利用があまり上がらないのは、クレジットカードを利用できないことなど、決済手段に理由がありそうだ。または、通学経路には書店があり、入りやすいということがあるかもしれない。
なお、電子書籍に関してはあまり利用率が高いとはいえないが、コンビニなどと同程度とすると一定のシェアは確保しているといえるかもしれない。
ニュースソース
編集部