[視点]サイモンアンドシュースターがクロスメディア事業を展開
2015年2月9日 / ニュース, ニュースキュレーション
英語圏における大手出版社サイモンアンドシュースターが新しいビジネスモデルを発表した。それは著者を出版社のパートナーと位置づけ、プリント版だけでなく、電子書籍、アプリ、ポッドキャスト、オンラインビデオ、セミナーやワークショップ、パネルディスカッションなどの多様なチャンネル展開をするというもののようだ。また、パートナーである著者とはコンテンツ開発や戦略を共に考えるという。テーマは健康などの分野からということだが、うまく行けば他の分野への展開もあるのだろう。
日本でもコンテンツのクロスメディア化のアイデアは散発的に出ているが、成功事例はなかなかない。あるとするなら、かつての角川映画のように、小説と映画で話題作りをしたりしたことか。書籍単体での活動から脱して、総合情報サービスに向かうということなのだろう。ただし、これらはいずれも広義におけるコンテナ(コンテンツを入れるパッケージの意味)の多角化で、読者や消費者とどのように関係を持つのかという点には触れられていない。先日のDBWコンファレンスでも、そうした点が最大の課題として指摘されていたと理解しているのだが。いずれにしても、サイモンアンドシュースターの今後の動向には着目しておきたい。
ニュースソース
- S&Sが新ビジネスモデルを発表[eBook2.0Forum]
編集部