[視点]大学図書館における電子書籍の約97%が海外出版社のタイトル

2015年4月6日 / ニュース, ニュースキュレーション

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 文部科学省が大学図書館に関するデジタル基盤の調査報告書を公開した。それによると、電子ジャーナル(電子版論文誌)に充てられる費用は資料費全体の705億5,400万円のうち、245億9,600万円と34.9%を占めている。また、電子書籍のタイトル数は約470万タイトルに増加しているが、約97%は海外出版社のものだとしてる。日本語の専門書籍や論文誌は英語版のそれよりも市場が小さく、印刷をするとなると、少部数でしか発行できないために割高になることから、電子版による解決策が必要になる分野ではないだろうか。このあたりに電子書籍のビジネスチャンスを感じるのだが…。

英国のキンドルのシェアは95%

 ニールセンが英国の書籍流通市場についてのレポートを発表した。ポイントは数量ベースで電子書籍が書籍全体の30%を占めているということ、そしてオンラインの小売店の売り上げが実店舗のそれを上回ったということ、さらにキンドルのシェアが95%に達していることである。国ごとに書店がどのように展開しているか、あるいは消費者がどのように移動したり、購入していたりするかということが異なるので、単純に日本と比較することはできないが、書籍販売チャンネルとしてのインターネットの普及が日本よりもはるかに浸透していることがわかる。しかし、電子書籍プラットホームに選択肢があまりないとはいえ、キンドルのシェアが95%というのには驚いた。アメリカでもバーンズアンドノーブル、アップルなどもそれなりに工夫をしようとしているし、日本でも外資系プラットホームのみならず、大手書店や印刷会社でもプラットホーム事業を展開しようとしていることを考えると、英国ではアマゾンに身を任せてしまったということか。市場競争などをあまり気にしない国民性もあるのだろうか。

ニュースソース

  • 平成26年度「学術情報基盤実態調査」の結果報告について -大学における研究教育活動を支える大学図書館及びコンピュータ・ネットワーク環境の現状について-[文部科学省
  • オンライン4割の英国出版市場[eBook2.0Forum
  • 英Nielsen Books、「2014年に電子書籍の販売部数が英国書籍市場全体の30%を突破」[hon.jp DayWatch

 編集部

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