[実証実験]POD値引きセールから1カ月、成果発表

2015年5月19日 / 実証実験レポート

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2015年4月9日から6月10日までの2カ月間、アマゾンでPOD本の値引きセールが行われています。今回は、開始から1カ月が経過した値引きセールの結果について紹介します。

セール前と比べて販売数は約2.5倍

開始から1カ月の値引きセールの結果ですが、インプレスR&D取り扱い書籍全体で販売数は通常月と比べて約2.5倍に伸びました。特に高額書籍の動きがよく、「情報セキュリティ内部監査の教科書」の場合、通常5070円で販売しているものが2350円となったことで、直近の販売数と比較し16倍まで伸びています。また、値引きセール実施中に販売を開始した「スマホ白書2015」も通常6264円で販売しているものが3132円となったことで、順調に販売数を増やしました。

青空文庫PODとNDL所蔵古書PODの成果は?

注目していたのが、「青空文庫POD」と「NDL所蔵古書POD」の動向でした。
青空文庫PODは、青空文庫で公開されているコンテンツを、PODにより印刷書籍として再流通させる商品です。1つのコンテンツを、文字サイズによって文庫相当のポケット版、大きめ文字サイズのシニア版、弱視の方向けの大活字版の3種類を用意して販売しています。販売価格は製造原価を回収できる程度に低く設定しているものの、どうしても割高商品になっていたため、今回の値引きセールの恩恵を受ける商品のひとつでした。
結果的にはセール前と比べて2倍弱の伸びとなっていました。送料込みで200円で販売しているものもありますので、この機会にぜひチェックしてみてください。なお、もっとも売れているのが「後世への最大遺物(ポケット版)」で20冊売れています。
NDL所蔵古書は、国立国会図書館の近代デジタルライブラリーで公開されている古書をPODを使って印刷書籍として再流通させる商品です。こちらについては、セール前と比べて微増となっています。なお、もっとも売れているのが「歴史的現実(岩波書店)」で11冊売れています。

PODの値引き販売は定着するか?

今回の値引きセールはアマゾン側でも大々的に告知を行ったこともあり、販売数の増加につながりました。ただ、電子書籍のセールと比較すると、販売数が爆発的に伸びていないという課題も出てきているように感じます。
電子書籍の場合、セールでは500円以下、場合によっては100円以下で売られることが多いのですが、PODでは1000円以下が中心です。送料込みであることを考えると十分安いのですが、電子書籍のようなインパクトがないのも事実です。
一方、課題でもあり新しい可能性ともいえる現象もありました。インプレスR&Dでは、POD書籍を一般書店でも販売できるよう「特約書店制度」を導入しているのですが、値引きセールの販売価格が特約書店への卸価格よりも安くなってしまったのです。つまり、インプレスR&Dから仕入れている限り、特約書店はアマゾンと対抗できる売価が設定できないということです。定価販売が中心なので販売価格に対するクレームはなかったのですが、仕入価格がアマゾンでの販売価格よりも高くなっていることに対しては一部で問題となりました。言い方をかえると、アマゾンがPOD書籍を書店に卸販売できるともいえるのです。もちろん、バーコードが異なったり、販売価格が明示されていないなど、書店で販売できる商品形態にはなっていないのですぐに実現する話ではありませんが、可能性としては十分考えられます。こうした視点でチェックすると、PODの値引きセールは興味深い取り組みといえるでしょう。

なお、値引きセールは6月10日までですので、気になる書籍がありましたらお早めにお買い求めください。

アマゾンPOD
PODだからできた!値引きセールの裏側のその後
PODだからできた!値引きセールの裏側

編集部

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