[編集長コラム]Googleフォト、動物当てテストで感じた知性

2015年6月11日 / 電子メディア雑感

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Googleから「Googleフォト」が発表され、話題になっています。もう使ってみたでしょうか。

無料なのに、枚数やストレージサイズに制限がなく簡単に使えることが人気の要因だと思いますが、私が興味を引かれたのは自動ラベル付けでした。写真をアップロードするだけで、コンピュータがその内容を解釈し自動でラベル付けをしてくれるというものです。これまでのように、ユーザーが自分でタグ付けや説明文を書いたりしなくてもいいわけです。

 

この機能を、動物当てテストで試してみました。使ったのは、何年か前にサファリパークで撮った動物の写真25枚。ライオン、ゾウ、キリン、トラ、ヤギ、サイ、フラミンゴ、ラクダなど15種類の動物です。ラベル付け処理は、アップロードするとすぐに自動的に始まりました・・・。

結果は、私の予想を超える素晴らしいものでした。

何と、すべての動物が正しくラベル付けされていたのです。アップロードしただけなのに、たとえば「キリン」と検索するとキリンの写真だけがリストされるのです。キリンの写真は以下のように、前から、横から、首だけ、胴体だけの全部で4枚あったのですが、いずれもちゃんと認識していました。

googleフォト-3

 

その他、ヤギとヒツジの違いなども見分けています。一番驚いたのは、以下の写真から「トラ」だと認識したことでした。一部分しか写ってないし、顔もはっきりしないのですが。

tora

 

これには明らかに、これまでの単純な輪郭抽出やパターンマッチングとは違う、何か高度な手法が使われていることが伺えます。Googleの発表によると、ディープラーニングというあたらしいAI技術が使われているとのことですが、ここまで来ていたのかとびっくりです。

 

私はパソコンの黎明期からこの仕事をしていますが、これまでコンピュータ(ソフトウェア)に知性を感じたことはありませんでした。ソフトウェアはあくまで人間がプログラムしたことを忠実にやっているだけで、それが超高速に動いているので魔法のように見えていたと思います。それがノイマン型コンピュータの限界ではないかとも思っていました。しかし、今回のGoogleフォトには何かしらの知性を感じてしまいました。

画像が認識できるということは、音楽でも、動画でも、文書からでも認識することができるのでしょう。メディアは、デジタル技術によってマルチメディア化して来ましたが、今回の自動認識はそれと相まってさらに高度なことができるようになると思います。

 

ビッグデータとAIによる処理は、コンピュータを新しい領域に連れていったようです。

 

インプレスR&D発行人/OnDeck編集長 井芹昌信

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