[実証実験]honto.jpでPOD書籍を販売するまで

2015年7月1日 / 実証実験レポート

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本日7月1日より、インプレスR&Dが取り扱うPOD書籍を丸善ジュンク堂書店およびhonto.jpにて販売を開始しました。今回は、この背景について紹介します。
 

3社の強みを組み合わせて実現

 まず、大日本印刷が1冊単位でPOD書籍を製造する仕組みをインプレスR&Dおよび丸善ジュンク堂書店に提供できるようになったのが、今回の取り組みで最大のポイントといえます。
 大日本印刷は「ウェブの書斎」というPOD書籍のネットストアを独自に運営しているのですが、そこで取り扱っているPOD書籍を丸善ジュンク堂書店やhonto.jp経由では販売していませんでした。また、出荷速度も注文から3日後までに発送するため、競合するアマゾンと納期に大きな差がありました。それを今回、翌日発送まで短縮できるよう大日本印刷側で業務を改良したのです。
 もうひとつ、丸善ジュンク堂書店の出荷倉庫がhonto.jpと共通運用を始めたこともポイントです。ご存知のとおり、hontoはポイントカードを中心にネット書店のhonto.jpとリアル書店の丸善・ジュンク堂書店と連携し、いわゆるハイブリッド書店を推進しています。このハイブリッド書店を実現する過程で、物流が統合されているのです。これにより、丸善ジュンク堂書店を窓口としてさまざまな書籍を取り扱う仕組みができあがっていました。
 今回、この両社の仕組みを最大限活用し、インプレスR&Dが保有するPOD書籍のデータを利用することで、POD書籍の販売が可能になりました。
 具体的には、インプレスR&Dが取り扱うPOD書籍の販売契約を丸善ジュンク堂書店と交わすことで、丸善、ジュンク堂書店といったリアル書店での販売(買取注文)を実現。あわせて、物流機能が統合されているhonto.jpでも販売を開始したということです。honto.jpでの販売は、アマゾンと同様に注文を受けてからの印刷・製本・出荷となるため、honto.jpにとっても在庫リスクのない新しい販売モデルとなりました。
 一方、大日本印刷との間では、従来からあるウェブの書斎の枠組みを生かし、丸善ジュンク堂書店から受けた注文分を製造し、丸善ジュンク堂書店の倉庫に直接納品する仕組みを新たに用意しました。また、honto.jpと大日本印刷との間で注文データが即時に伝わるシステム開発もあわせて行うことで、注文から製造までの時間を大幅に短縮しています。
 少し込み入った3社の関係となりましたが、インプレスR&DにとってはPOD書籍の新たな流通網を開拓することができました。
 

honto.jpでは「オンデマンドブック」というジャンルに分類されて公開中。

honto.jpでは「オンデマンドブック」というジャンルに分類されて公開中。

POD書籍はメジャーになれるか?

 今回のポイントは、honto.jpがアマゾンと同等のPODストアとして機能しはじめたことと、丸善・ジュンク堂書店といったリアル書店店頭でPOD書籍を販売する機会が得られたことです。特に後者はPOD書籍を実際に手にとって確認できる機会が増えるため、出版社としては非常にありがたいことといえます。
 なお、本日よりジュンク堂書店池袋本店でPOD書籍が店頭に並びますので、機会があれば足を運んでみて手にとって確認してみてください。

 
honto.jp
オンデマンドブック
プレスリリース(インプレスR&D)
http://www.impressrd.jp/news/150625/NP
プレスリリース(大日本印刷)
http://www.dnp.co.jp/news/10112185_2482.html

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