[視点]2014年度の日本の電子書籍市場規模は前年比35%増の1,266億円
2015年7月8日 / ニュースキュレーション
株式会社インプレスのシンクタンク部門であるインプレス総合研究所が電子書籍に関する国内市場規模の推計結果を発表した。それによると、2014年度は1266億円で、前年比で35.3%増加した。また、電子雑誌の市場規模は145億円で、前年比88.3%の増加。電子書籍と電子雑誌を合わせた2014年度の電子出版市場は1411億円なっている。昨年から引き続き、電子コミックが市場を牽引していて、無料マンガ雑誌アプリの普及や、電子書籍ストアが提供する電子コミックの無料連載をきっかけに、電子コミックの購入に至るケースが増えているということだ。
一方、将来予測は下方修正をしているという点に着目して、この調査結果を報じている媒体もある。すでに米国では一般書市場では電子書籍の売り上げ構成比が30%前後で停滞をしていることは本誌でも何度か紹介してきてる。日本ではコミックという米国とは異なったジャンルのコンテンツが伸びているので、それと同じようには語れないが、毎年、印刷版から電子版へと読者が順調に移行していくわけではないというのは関係者の共通した認識にはなりつつあるだろう。そのなかで市場を成長させるためには、“移行させる”のではなく、いかに“新しい楽しみ方や市場を作っていけるか”ということにかかっていると思う。
ニュースソース
- 2014年度の電子書籍市場規模は前年比35%増の1,266億円〜2019年度は2,900億円規模へ成長と予測[INTERNET Watch]
- 電子書籍市場は3割増の1260億円に 将来予測は下方修正[PC Online]