[視点]B&N、フリップボード、マクミラン――今週の海外動向
2015年7月22日 / ニュースキュレーション
電子書籍ビジネスで不振から脱せないバーンズアンドノーブルはついに、米国と英国以外のビジネスから撤退をすると発表した。昨年、eリーダーの製造をサムスンに任せたが、今年はついに配信先エリアを縮小させる。英語圏ではもはやアマゾンの一人勝ち状態だといえる。
また、電子雑誌プラットフォームのフリップボードのCEOは月間7000万人のアクティブユーザーがいると述べた。特に、ウェブ版が登場してからユーザーが増加をしているという。フリップボードは雑誌的なページめくりのユーザーインターフェースとRSSによる記事配信で、自分でカスタマイズできる閲覧環境だった。アップル社がiOS9に搭載を予定しているアップルニュースはフリップボード的な仕組みを使ったキュレーションメディアになるといわれている。ただ、ビジネスモデル的にはあまり成功が伝えられてなく、一時期は買収されるといううわさまであった。基本的な仕組みやユーザーはあるので、今後の課題はビジネスモデルということになるが、アップルやフェースブックとの競合はもちろん、日本ではいわゆるキュレーションアプリとの競合もある。
そして、大手出版社であるマクミランが月額定額制サービス(サブスクリプションサービス)にさらに力をいれると発表している。新たに1000タイトルをスクリブドとオイスターに提供するとしている。具体的な市場規模や出版社に取っての収益性などについて、十分な情報は開示されていないが、いよいよ本格的な拡大時期に入るのか?今後の動向は要注目。
ニュースソース
- 米書店チェーン最大手Barnes & Noble、英国だけを残し、海外の電子書籍市場参入を断念[hon.jp DayWatch]
- Flipboardは月間70ミリオン(7000万人)人のアクティブユーザーがいる−CEOが語る[Venture Beat]
- Macmillanが電子書籍定額制サービスを拡大〜1,000タイトルをScribdとOysterに[The Digital Reader]