[視点]2015年第1四半期の米国電子書籍出荷額はマイナス成長

2015年7月27日 / ニュースキュレーション

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 米国出版社協会(AAP:Association of American Publishers)は2015年第1四半期の米国出版市場動向を発表した。これは主にAAPに加盟する出版社を対象とした出荷額の調査で、日本の小売価格を基準とした調査とは異なる。それによると、対前年同期比において、一般書分野の電子書籍出荷額は-7.5%と大きく下落した。また、一般書分野のハードカバーも-6.7%の下落だった。一方、一般書分野のペーパーバックは+8.6%と堅調だった。なお、一般書全体では+3.4%の成長で、ヤングアダルト/子供向け書籍と宗教書を合わせた一般書分野では-2.2%となっている。米国の中期トレンドとしては、日本のような出版不況下にはないものの、一般書分野は苦戦をしている。特に、電子書籍の下落は大きい。
 この理由として考えられるのは、調査対象となる出版社としていわゆるビッグ5といわれている大手出版社の構成比が大きいこと、つまり、ビッグ5は(改良型)エージェンシーモデルを採用していて、小売価格の決定権を持っている。そして、全体としては小売価格を上昇させる方向へと誘導する施策をとっているといわれている。結果として、電子書籍の平均小売単価が上がることで、部数が減少することにつながり、出荷規模が縮小しているのではないかという仮説である。おそらく、一方のアマゾンはホールセールモデルにして、小売価格を抑えるように誘導し、販売部数を伸ばして、全体の売り上げ規模を上げたいという意図があるのだろう。
 こうした統計的な出荷額の下落を示す根拠が、今後のエージェンシーモデルを採用している大手出版社の施策にどのような影響を与えるかということに着目していきたい。

ニュースソース

  • AAP発表、米国内の2015年第1四半期の電子書籍売上高は前年同期比-7.5%、書籍業界全体も-6.6%[hon.jp DayWatch
  • AAP StatShot: 2015年第1四半期の売り上げは鈍い[AAP

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