[編集長コラム]「POD取次」始めました! 新しい出版流通モデルの構築

2015年7月30日 / 電子メディア雑感

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先週、インプレスR&Dから流通しているPOD書籍を楽天ブックスで買えるようになった、という発表をしました。これは、楽天さんとの協業で実現した新しいモデルですが、その仕組みは下記の記事で詳しく説明しています。

http://on-deck.jp/archives/20152116

 

これで、アマゾン、honto、楽天ブックスという、国内のメジャーなオンライン書籍ストアで、POD(プリント・オンデマンド)で作られた印刷書籍を販売できることになりました。嬉しいことです。

このモデルの新しい点は、製造はPODで行っていますが、消費者はそれを意識することなく従来の本と同じ方法で購入できることです。流通・販売でのハンディーがなくなり、製造側は、注文のあったとき、注文のあった部数が自動的に作られ、出荷されるというPODのメリットを享受できます。つまり、無在庫、返品なし、品切れなしの未来志向の出版流通モデルができたということです。

インプレスR&Dでは、この出版流通モデルをより多くのコンテンツホルダーに使ってもらうために、「POD取次」社になることにしました。

 

出版業界で「取次」と言えば、出版社と書店の間をつなぐ流通業者のことですが、取次の機能は流通のほかに、代金回収、商品管理、市場情報サービスなど多岐に渡ります。今回の「POD取次」でも同様の機能を提供します。違うのは、取次の場合は返品処理があるわけですが、POD取次の場合は構造的にその必要がないことです。

逆に、取次では必要なかった、制作に関するサービスが必要になります。なぜなら、PODの場合は、それぞれのストアで印刷・製本を行うので、仕様が異なるからです。一番分かりやすい例は用紙でしょう。用紙が違うと背厚が変わってきますので、これを各ストアのPODマシンに合わせて、調整してやる必要があるのです。さらに言えば、裁ち落としの処理なども異なっています。これらの仕様の差をPOD取次が吸収することで、コンテンツホルダーは1つのマスターPDFだけ管理しておけば済むことになり、手間を省けます。

それ以外にも諸々の処理があり、まとめると以下のような業務になります。

・各ストアとの販売契約の締結

・各ストアに適合するPDFの作成と出荷

・ストアごとの書誌ファイルの作成と出荷

・POD原価の交渉と支払い処理

・各ストアのPOD製品の品質管理

・売上情報の統合と売上処理

・各ストアとの販促施策の調整 など

 

もしPOD取次がないとすると、コンテンツホルダーはこれらの業務をすべて自前でこなさなければなりません。これらをまとめて引き受けるサービスだと思っていただくと分かりやすいでしょう。

 

前回のこのコラムで書いたように、インプレスR&DではPODをイノベーションと捉え、これまでの出版モデルではむずかしかった専門性の高いコンテンツを多様に流通させていきたいと考えています。ご賛同いただけるコンテンツホルダーの方は、ぜひご相談ください。まだ個人からの受付はできませんが、法人であれば利用可能です。一緒に、新しい出版モデルを構築していきましょう。

 

POD流通サービスの問い合わせ: pod@nextpublishing.jp

 

インプレスR&D発行人/OnDeck編集長 井芹昌信

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