[視点]米国の電子書籍市場は停滞から縮小へ?
2015年8月19日 / ニュースキュレーション
米国出版社協会(AAP:Association of American Publishers)が2015年1月から4月、すなわち2015年3分の1の期間における出版市場動向を発表した。それによると、電子書籍の出荷額合計は9.3%にダウンしたという。下落の傾向にあることは以前から発表されてきたことだが、1割の下落となると、停滞というよりも下落トレンドにあるといわざるを得ない状況だろう。各メディアによって、さまざまな分析があるが、一つは大手出版社が電子書籍価格を高めに誘導しようとしていることから、消費者にとってのお得感が薄れているということがあげられる。こうした調整局面を繰り返しながら、価格と消費者のニーズのバランスを見つけていくことになるのか。いずれにしても、アマゾンにも、出版社にも積極的な施策が見えにくく、市場の先行きは気がかりだ。
一方で、大手の出版社サイモンアンドシュースターの第2四半期業績が減収増益であると発表された。電子書籍の売り上げ構成比は昨年同期が22.3%だったのに対し、20.1%と若干の下落をしている。直接の関係はないとしてはいるものの、電子書籍の売り上げ構成比減少と利益の増大の因果関係は本当にないのか。
ニュースソース
- AAPが2015年1月〜4月の1/3期間において電子書籍売り上げが9.3%ダウンと発表[The Digital Reader]
- サイモンアンドシュースターの第2四半期業績は減収増益[The Digital Reader]