[編集長コラム]Q&Aサイトによる電子公聴会 -「原発再稼働」の本音の質問に行政が回答

2015年8月20日 / 電子メディア雑感

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2月に、「原発再稼働」というむずかしい世界的な社会問題について、一般の人からの質問を公開募集して、それを当局に回答してもらうという企画を立ち上げていました。

http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20150226_690202.html

具体的には、OKWaveという、4000万人が利用しているQ&Aサイトで質問を募集し、集まった質問をインプレスR&Dの編集者が整理し、当事者である国・行政に取材し回答してもらうという試みです。いわば、ネット時代の電子公聴会ですね。

 

今週、やっとその回答を公開することができました。

集まった質問は116件。一般人からの質問なので、マスコミとは違い以下のような本音の生々しいものが並びました。

  • 電力会社は掛かった費用を全て電力料金に乗せられる「総括原価方式」で守られていると聞きますが、実態はどうなっているのでしょうか。
  • 「世界で最も厳しい基準」という発言をする政治家もいますが、日本の原発に対する規制基準を諸外国と比較して説明してください。
  • 原子力発電コストは安いと言われています。廃炉費用などを含めた上で、火力、水力、原子力、地熱、太陽光、風力、バイオの特徴と設備投資、発電コストを比較するとどうなるのか、教えてください。 など。

 

これらを、編集部が経済産業省資源エネルギー庁および関係政府機関に実際に取材し、回答を得ています。これまでマスコミには出ていなかった情報もありますし、図入りで詳しく説明されているところも特長です。ぜひ、覗いてみてください。

http://project.okwave.jp/shiritai/report.html?f=g_header

 

今回の企画は、インプレスR&DとOKWaveの協業により実現したものです。その狙いは、Webと出版がコラボすることで、以下のようなそれぞれのメディアの特長を活かした新しいメディアを生み出せると思ったからです。

  • Webがマスコミより優れている点
    • 生の質問を広く、たくさん取り出せる
    • その回答を誌面の制約なく、詳しく広く発表できる
  • 出版がWebより優れている点
    • 編集力により、質問を整理し、現実的な質問項目を作り出せる
    • 取材力により、回答を得、整理し、読みやすい形の原稿を作る

 

どうでしょうか。これまでより多様な情報が公開できたと思うのですが。

もちろん、この内容で原発再稼働の結論がすぐ出せるという訳ではないですが、当事者である国・行政と利用者である民衆の間にある情報ギャップを埋めていくことで、さらに深い考察・議論ができるようになればという立場です。

インプレスR&Dでは、この結果を次は書籍にして出版する予定です。図やグラフの入った分量のある原稿を理解するのは、Webより本が向いていると思うのと、Webは苦手という方には本が必要だと思うからです。

この「電子公聴会」は原発以外のテーマでも利用できるものなので、さらに発展していけたらいいと思っています。

 

プレスリリース:http://www.impressrd.jp/news/150817_2/NP

 

インプレスR&D発行人/OnDeck編集長 井芹昌信

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