[視点]「(書籍の)公正利用の限界を試す」事案〜グーグルブックスキャン訴訟

2015年10月26日 / ニュースキュレーション

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 米国のグーグルブックサーチ訴訟において、ニューヨーク連邦高裁は原告である著作権者の請求を却下した。ロイターが報じたところによると、グーグルが書籍をスキャンし、検索可能にした電子図書館プロジェクトにおいて、「グーグルの行為は“(書籍の)公正利用の限界を試す”事案」だとし、実際に閲覧できるのは検索した語に関連する部分に限定されていて、著作権法には違反しないということだ。これは2005年からの訴訟だが、この10年におけるデジタル技術の向上やそれに対する消費者の理解が大きな変化をしていると考えられる。つまり、提訴された当初よりも、その意味がより理解されてきた側面を捉えた判断だと言えるのではないだろうか。今後は最高裁へと舞台を移すと思われる。しかし、こうした訴訟があったことから、出版社とグーグルの関係は微妙なものとなり、現在のグーグルプレイブックスの置かれる状況へとつながっていく。もし、一連の裁判が一段落したとき、グーグルによる書籍の内容を検索する技術やサービス化の動きは再び活発になる可能性はあるのだろうか。アマゾンとは異なったアプローチによる新しい価値創出を期待したいところだ。

ニュースソース

  • グーグルの書籍電子化、著作権法に違反せず=NY連邦高裁[ロイター

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