[実証実験]本を商品にするもの(舞台裏 第5回)

2015年11月2日 / 実証実験レポート

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 今日、表紙に入れる文字と奥付の表記について著者と編集長と打ち合わせをしました。今まで原稿の内容について書籍化に向けて編集を進めてきましたが、原稿やデザイン以外で、商品としての書籍にとても大切なものの存在を実感しました。
 この『赤鉛筆とキーボード』の編集長を務める編集部メンバーから、「1冊の本がどうやってできているか、イメージする」ことをしばしばアドバイスされています。私は電子出版の制作的な部分を行なってきたため、どうしても本文の作り方、見せ方に注意が向けられるようです。今日の打ち合わせは、奥付の表記と表紙に使う文字列と、ストアにおさめる書誌の整合性についてでした。奥付は、発行日やISBN、コピーライトの他、発行者や書籍の社会的責任を示す非常に大切なものだと、コラムで井芹編集長も語っていました(2014年6月19日号)。食べ物でいえば食品表示に相当するものだと思います。奥付は本文(印刷書籍の最終ページや、電子書籍の最後の部分)で使われるので、それとは別に販売ストアや書店で扱うためのデータベースに登録する書誌情報も書籍を販売するためには必要です。また、表紙は読者にとっては、購入する前や購入した後、必要な本、探している本がどの本なのか見つけるためには、もっとも身近でわかりやすいものです。

奥付、書誌、表紙は原稿に劣らず大事なことなので、メールではなく打ち合わせの時間を設けました。

奥付、書誌、表紙は原稿に劣らず大事なことなので、メールではなく打ち合わせの時間を設けました。

 そこで、出版では、これらの情報に矛盾がないようにすることが望ましいそうです。当然と言えば当然ですが、表紙だけを見ると、この文字やこの単語は入れるとデザイン的にうまくいかない(かっこよくない)という場合があります。また、今回は、奥付の著者欄には、「井芹 昌信(OnDeck編集長)」と表示させる予定ですが、書誌の視点に立てば、著者名にOnDeckという媒体名まで入れると、Amazonや国立国会図書館のデータベースなどでは「井芹 昌信」の過去の著作物と同一著者ではないと見なされる可能性があります。
 どこまで同一性を重要視して、どこまでマーケティングや演出を行なうか、これまであまり実感がなかったことに直面しています。しかし、奥付や表紙や書誌の関係を考えてみて、私が今回手がけているものは、ただ原稿を公開したものでなく、本というパッケージ商品なのだと実感しました。

(OnDeck編集部 細谷)

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