[実証実験]表紙、包みになる(舞台裏 第9回)
2015年11月12日 / 実証実験レポート
昨日は言いにくい発行延期をお知らせできて、少しほっとしています。ストアに納品するまでカウントダウンが始まりました。表紙、書誌、本文、奥付の表記の微調整や、本文の編集部の注意書きをどこにどう書くかなど、細かい調整に追われる日々です。
第7回で表紙の話を書きましたが、印刷書籍の表紙には、当然ですが背表紙や裏表紙が必要です。今回制作に使うNextPublishingでは、いわゆる表1(表表紙)、表4(裏表紙)、背表紙の3つのパーツから印刷書籍の表紙をつくるツールがあるのですが、昨日やっとそのツールで表紙を作りました。
なぜパーツにする必要があるのか、InDesignやIllustratorでデザイナーに作ってもらわないかというと、PODでは、印刷するストアによって本文用紙の厚さが違ったり、トンボやバーコードなど入稿仕様が異なったりするからです。つまり、データを納めるストア分だけ表紙データが必要になります。
最後の画像の背表紙の図柄を見ると背表紙の厚みが違うことがわかると思います。この表紙をつくるのに必要な情報は、4ストア分の背表紙の厚さ、縦書きか横書きか、価格、ISBN、JANコード、判型など多岐にわたり、すべて伝えてデザイナーに作ってもらうのでは負担も大きいので、このようなツールが開発されました。私も今回、発行前の慌ただしい中、自分では正確に情報を伝えられないだろうと実感しました。購入する読者にはわからないことで、実感のある読者の方も少ないかもしれませんが、PODノウハウの塊です。役者が揃い始めて、書籍というパッケージを世に出すのだという実感がわいてきました。
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(OnDeck編集部 細谷)