[視点]海外の大手出版社の電子書籍売り上げは減少傾向
2015年11月18日 / ニュースキュレーション
AAP(米国出版社協会)が2015年の1月〜7月までの7か月間の市場動向(出版社出荷動向)を発表した。それによると、この期間の電子書籍出荷額は昨年同期比で11.2%減少したとしている。一般書全体の出荷額は0.3%増加しているということで、日本のような出版不況が起こっていないなかでの減少である。
出版社個別の業績発表も行われている。ハーパーコリンズの出版売り上げに占める電子書籍とオーディオブックを合算したデジタル売り上げ構成比は22%、電子書籍は22%から20%と2ポイントのダウンをしている。サイモンアンドシュースターの第3四半期も出版売り上げに占める電子書籍売り上げは20.4%で、昨年同期比の25.1%から大きくダウンしている。
一時期の電子書籍ブームが一段落し、このくらいの規模で落ち着くということを意味しているのか。消費者は電子書籍には満足できず、印刷版へと回帰をするのか。あるいは、大手出版社の電子書籍の小売価格値上げという戦略の誤りか(もちろん、こうなることを望んだ上での戦略というということもあるわけだが)。
ニュースソース
- ハーバーコリンズのデジタル売り上げは減少[The Digital Reader]
- S&Sは売り上げ拡大、しかし、デジタル売り上げはダウン[The Digital Reader]
- 出版社の電子書籍売り上げは減少〜2015年7か月間[The Digital Reader]