[視点]デジタルメディアプラットフォーム動向
2015年12月7日 / ニュースキュレーション
LINE NEWSがプラットフォームをオープン化し、24のメディアが公式アカウントを使ってニュースを配信すると発表された。また、ヤフーは有識者らが著者となっているYahoo!ニュース個人というサイトで、編集部が著者に記事を依頼したり、原稿料に加えて、取材経費などの支払いにも対応したりすると発表した。記事によれば、これは記事の質を向上させること趣旨としているという。
この二つはまったく違うニュースなのだが、従来の出版に関係する方にとっては注目すべきものだ。出版ビジネスにおいては、著者、出版社、流通という役割分担が定着していたわけだが市場が縮小を続け、すでに経済的には非効率な状況に陥っている。一方で、大手コンテンツ流通プラットフォームの顧客へのリーチ、すなわちメディアパワーが伸びてきて、その役割を変化させている。こうした動きはいまに始まった動きではないのだが、著者、そして既存の出版社には将来に向けたビジョンや戦略がますます求められている状況だ。2016年に向け、こうした動きはさらに加速すると思われるし、出版業界の各プレーヤーは従来と同じ場所にいるだけではますます厳しい状況に陥るのは間違いないだろう。
ニュースソース
- LINE NEWSがプラットフォームを開放、第1弾として24メディアが公式アカウントでニュースを配信[TechCrunch]
- ヤフーが個人発ニュースを拡充、原稿料や取材費支払いも[ロイター]