[視点]ペンギンランダムハウスグループが公共図書館への電子書籍ライセンスモデルを改定
2015年12月14日 / ニュースキュレーション
日本では「図書館での貸し出しは事実上の「無料貸本サービス」になっていて、出版社の利益を圧迫しているという議論が巻き起こっている。そして、図書館での電子書籍の貸し出しもいまのところ、大きな進展をしているようには見えない。
一方、米国では出版大手のペンギンランダムハウスグループが公共図書館への電子書籍ライセンスを「永続型」に統一することを発表している。永続型とは、一度、ライセンス料を支払えば、期限の制限なく、図書館での貸し出しをすることができるという条件だ。もちろん、図書館が電子書籍配信事業者を変更したとしても、その条件は継続されるという。これまで、米国でも図書館での電子書籍の貸し出しに対する激しい議論もあったが、現在では、多くの公共図書館が電子書籍を扱うようになってきている。一般に、ライセンスあたりの貸し出し期限が定まっていたり、貸し出し回数が定まっていたりするが、ここにきて図書館にかなり有利は条件でのライセンスモデルを採用したことになる。その意図については十分な情報がないのだが、市場シェアの大きな出版グループの判断は今後の出版業界への影響も大きいだろう。
ニュースソース
- Penguin Random Houseグループ、公共図書館への電子書籍ライセンスを「永続型」に統一、同時に価格も引き下げ[hon.jp DayWatch]
- Penguin Random House英国法人、販売中の電子書籍23,500タイトルすべてを公共図書館の貸し出し対象に[hon.jp DayWatch]