[視点]米オーサーアーニングス主宰者データ・ガイ氏のプレゼンテーション資料公開

2016年3月22日 / ニュースキュレーション

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 去る3月7日〜9日まで、米国ニューヨークで開催された電子書籍に関するコンファレンスであるデジタルブックワールドに登壇したデータ・ガイ氏のプレゼンテーション資料が公開されている。本誌でも紹介していきたが、データ・ガイ氏とはオーサーアーニングスというサイトを主催している人物で、アマゾン・ドット・コムに表示されている売り上げランキングなどのデータを収集し、それを分析した結果を発表しているいわゆるデータサイエンティストである。セルフパブリッシングの市場については、どの調査会社も十分に納得性のある調査ができていないところ、このデータ・ガイ氏が公開されている情報を緻密に分析することで、その実態を明らかにしてきた。今回のデジタルブックワールドコンファレンスでも、最も注目されたセッションであるといっても過言ではない。特に、これまではペンネームのみで、経歴はもちろんのこと、顔も公開してこなかったが、多くの聴衆の前に登壇をするというだけでも興味深い。
 公開されたプレゼンテーション資料では、なぜこのような調査を始めようと考えたのか、そしてその具体的な方法、分析結果などが紹介されている。この市場分析はデータ・ガイ氏にとってのビジネスではないので、何も隠すこともないということなのだろう。その上で、「見えないもの」を見ようとしないで、従来の自社の手元資料だけで判断をすることの危険性を指摘している。これまで統計で示されていなかっただけで、米国におけるセルフパブリッシング市場はロマンスやミステリーの分野では大きな部分を占めつつあるという。こうした大きな市場変化をどのように捉え、つぎの戦略や具体的な行動に変えていくかが出版業界に求められていることだ。
 日本ではセルフパブリッシング市場の状況は米国と異なるが、本質的には重要なことを投げかけている。大手電子書籍書店のベストセラーランキングの変動に一喜一憂したり、サーベイによるユーザー嗜好だけから判断したりするのではなく、市場の変化をより具体的に捉えていかなければならない段階に入ってきている。

ニュースソース

  • 2016デジタルブックワールドキーノートプレゼンテーション[ Author Earnings
  • 個人作家向け市場調査サイト「Author Earnings」、Data Guy氏のプレゼンスライドをネット公開[hon.jp DayWatch
  • Data Guy氏「電子書籍時代に、自社の販売実績データへの盲信は危険」[hon.jp DayWatch
  • オーサーアーニングスの基調講演[Publishers Perspectives
  • DBW 2016: デジタル革命のためのモラルフレームワーク[Publishers Weekly
  • ビジネスの変化: イングラムコンテンツグループ[TeleRead
  • Digital Book World 2016まとめ(リンク集)[DigitalBookWorld

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