[実証実験成果報告 05]無料版weeklyと有料版monthlyに発行方式を変更(2011年7月)
2016年4月15日 / 実証実験レポート
2011年7月、OnDeckの発行方式を大幅に変更することになった。登録ユーザー限定で無料配信するリフローメディアの「OnDeck weekly」と、電子雑誌ストアで有料販売する固定レイアウトメディアの「OnDeck monthly」の2形態に切り換えたのだ。
OnDeck weeklyは、従来のOnDeckを継承する実証実験メディアとして、先進ユーザー向けに提供。一方のOnDeck monthlyは、電子雑誌ストアで購入可能な電子雑誌として、より多くの人に読んでいただくことも目的に提供した。
本来はEPUBのまま電子雑誌ストアで販売できればよかったのだが、当時(現在も)EPUBを入稿フォーマットとして取り扱っている電子雑誌ストアはなく、PDFのみ受け付けていた。このために開発したのが、EPUBからPDFを自動生成する独自プログラム。これにより、電子雑誌ストアでの販売が可能となった。
一方、OnDeck weeklyについては、最新情報をコアな読者に提供することを目的に発行。ポイントは、登録読者に対するアンケートを義務化したこと。これにより、編集部でさまざまな電子出版に関する情報を収集でき、結果を調査報告書という形で発表することにもつながった。
発行方針の変更については、本サイトに当時の原稿を掲載しているので、興味のある方はごらんいただきたい。
なお、この年(2011年)に行われた第5回JEPA電子出版アワードにて、OnDeckは「ネットワーク・コンテンツ賞」および「大賞」を受賞した。電子出版ビジネスのためのデジタル・ファースト電子雑誌として、最新の電子出版トレンドをお伝えするとともに、先進的な実験に取り組んできた。そうした活動が評価されたものと思われる。今振り返ると、1年の間にかなり先進的な取り組みだったことがよくわかる。
ポイント:
・PDF版で電子雑誌ストアでの販売に参入。結果、各社のパフォーマンスチェックを実現。
・読者アンケートを義務化することで、先進ユーザーの動向をいち早くチェックでき、編集方針決定に大きな影響を与えた。
関連号:
・OnDeck 2011年7月6日号
※EPUB表示にはbib/iを利用しています。
関連リリース:
・PDFフォーマットによる月刊版を 4大電子雑誌ストアで一斉販売開始
・「OnDeck weekly」コントロールドサーキュレーションを ビジネスモデルに採用し、無料を継続