[実証実験成果報告 07]完全デジタルファーストの出版方式「NextPublishing」開始(2012年5月)
2016年4月19日 / 実証実験レポート
OnDeck monthlyのPOD販売により、モノクロ印刷であれば、在庫をかかえることなく印刷書籍を販売できることが確認できた。つまり、電子書籍と同様にデジタルデータをストアに預けるだけで、読者に届けられるというわけだ。
既存書籍からみると絶版本対策でしかないPODだが、電子書籍の視点でみると印刷書籍を効率的に製造・出荷できる仕組みになる。
2012年5月、このモデルを活用すべく誕生したのが「NextPublishing」だ。
NextPublishingは、良書であっても一定数の初版部数が見込めない(読めない)企画を、電子書籍とPOD書籍を利用することで発刊機会を与えることを目的に作られた。どちらも初期在庫の負担がないため、出版社としては低リスクで参加できるのが利点。もちろん、著者にとっては売れないとリターンがないものの、出版の機会が得られることが重要で、それを理解して参加する方も少なくなかった。
2012年当時はなかなか理解されず、「ロングテール出版」だとか「マイナー出版」といった補足説明?がつけられながら紹介されることが多かったことを記憶している。2016年現在でも同じような認識の方は多いかもしれないが、次世代出版方式として理解されつつあるのは間違いない。
ポイント:
・初期製造数が読めない(見込めない)企画に出版する機会を与えることを目的とした「NextPublishing」
・出版社のリスクを低くすることで、出版機会を与えることに成功
関連号:
・OnDeck weekly 2012年5月24日号
※EPUB表示にはbib/iを利用しています。
関連リリース:
・インプレスR&DがEPUB3とアマゾンPODを利用した 次世代型の書籍出版ブランドを新設