[書籍連動]小倉 唯インタビュー『高校生の時は、周りの期待に応えることで精一杯でした』
2016年6月13日 / 本日の一冊
毎週末数百件が行われているアニメ・声優関連イベント。そこに集う新しい形のファンが「イベンター」と呼ばれる、イベントを現場で楽しむファンたちです。では同じくイベントを構成する主役である「声優」はイベントをどのように捉えているのでしょうか?ここでは『イベンターノートが声優にインタビューしてみました』収録のインタビューから探ります。
──小倉さんはイベントやライブの前にやる“決まりごと”はありますか?
いつもではないですけどライブの前に舞台袖で一瞬目を瞑って、客席の皆さんはどうすれば喜んでもらえるかな、どう感じるかな、ということを考えています。まず今の自分が精一杯できることを見ていただいて、そこから元気やパワーを感じてもらえればいいなって。まずファンのみんなのためにということを一番心掛けて、ありのままの自分を楽しんでもらいたいんです。
──そう思い始めたのは最近ですか?それともずっと前から?
デビューしたばかりの頃は目の前の事をひたすらこなしていくのが精一杯で、それを頑張っていくだけでした。でもその中でいろんな方と出会って、ファンの皆さんに支えてもらって。まだ高校にも通っていてたので、今思うと本当に目まぐるしく……仕事もプライベートも全部頑張りたいタイプなので、毎日高校に行きながら声優の仕事をして、イベントやライブもあって寝る間がないぐらい忙しい毎日でした。
いろいろな新しいお仕事に巡りあう時期でもあったので、支えてくれたファンの皆さんのおかげで頑張ることができました。その時の自分には本当によく頑張ったねって言ってあげたいですね。
──大学に進学されて、視点が変わりましたか?
変わりました。ずっと以前から大学に進みたいと思っていたので高校の勉強も頑張っていましたし、今のお仕事ももちろん続けたかった中で大学に進学することができて本当に良かったなって思っています。大学生になってからの2年間で仕事に対する考え方がすごく変わったと思うんです。一歩引いた目線で客観的に自分を考えられるようになりました。
学校に行くことで自分と違う環境の人たちと接することができたり、仕事場とは別に学生としての居場所がある、違う環境があることがとても大きくて。何気ない毎日の生活が後々の自分に繋がっていくと思うので、大変だったけど頑張って良かったなって思います。
残りの大学生活を通じてこれからも自分を高めていきたいです。自分をちゃんと見つめなおして、いろいろなことを自分から考えられるようになったのは大学に入ってからですね。
──高校生まではまだ未完成だった?
無我夢中というのもあったんですけど、私なりに何事も意識は高く持っていたいと思っていました。声優のお仕事もイベントもライブもあって、その中で自分をしっかり見失わないように……今になってみると考えすぎていたかな、と思うところもあります。
以前はこうしなきゃ、ああしなきゃと頑なに考えていたけど、最近はそんなに考えすぎないように頑張るというか、頑張り過ぎないようにって心がけています。
──以前より周りに任せられるようになったのでしょうか。それまでは、自分がこうしたい、ということをあまり言ってこなかった?
まず仕事を頑張って周りの期待にきちんと応えたいと思っていました。何事にも考えすぎて辛かった事もたくさんあったし、もっと気楽に考えていればよかったかもしれないとは思うんですけど、ひとつひとつちゃんと考えてやりたいというタイプだったので。
いつも「自分はどうするべきか」って自分自身に問いかけてたんですよね。その一方で自分がこの先どうなっていくか、どうあるべきかということは全く見えていませんでした。
──期待に応えるのに精一杯だった。
だからアーティスト活動もまず頂いた曲をしっかり歌う、という感じだったんです。最近ではシングルを作る時には一緒に曲選びをしたりライブのセットリストを考えたり、そういう部分に積極的に参加させてもらえるようになって、自分をどう見せていくのがいいのか、みんなにもっと楽しんでもらうにはどうしたらいいのかと考えるようになりました。
小倉 唯(おぐら・ゆい)
1995年8月15日群馬県出身。クレアボイス所属。2009年に声優デビュー後、『神様のメモ帳』(アリス)、『ロウきゅーぶ!』(袴田ひなた)、『この中に1人、妹がいる!』(宝生柚璃奈)、『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』(クリス)など数多くの人気キャラクターを演じる。2009年に石原夏織と結成したユニット『ゆいかおり』でアーティスト活動を開始。2012年にはソロアーティストとしてもデビュー。パーソナリティーとして『ゆいかおりの実♪』(文化放送・日曜24時30分〜25時)を担当。
公式サイト http://www.ogurayui.jp/
公式ブログ「ゆいゆいティータイム」http://ameblo.jp/ogurayui-0815/
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ISBN:978-4-8020-9076-6
発行:株式会社インプレスR&D