[実証実験]NextPublishingトライアルサービスのススメ(縦組書籍編)
2015年1月28日 / 実証実験レポート
2014年末にOnDeck weekly読者限定で公開した、「NextPublishingトライアルサービス」はすでに試してみたでしょうか? 今回は、制作トライアルサービスで縦組書籍を作る方法ついて紹介します。
制作トライアルサービスの縦組基本版面
制作トライアルサービスでPDF作成用として公開している縦組は、四六判(128mm×188mm)の書籍を作成できるように作られています。本文Q数が13Q、1行あたりの文字数が44字、1ページあたりの行数が16行となっています。つまり、1ぺーじあたり最大704字が入ります。
見出しは、大見出しが18Q(3行取り中央揃え)、中見出しが15Q(前1行アキで2行取り中央揃え)、小見出しが12.5Q(前1行アキ)です。シンプルながらも基本的な要素を反映しています。
縦組書籍を作ってみよう
ここからは制作トライアルサービスを使って、小説のような縦組書籍をどのように作るかを紹介します。
まずは、原稿を入力します。原稿を入力するときは「◎本文」スタイルを使います。基本的には、このスタイルのまま原稿を入力してください。
縦中横やルビ、傍点、強調などは、この入力段階で行えます。縦中横とルビは、Wordの機能を使って設定できます。傍点と強調は、超原稿用紙が用意しているスタイル「◎傍点」「◎強調太字」を適用します。

超原稿用紙の基本が「スタイル」。この部分をクリックすると、画面右側に利用可能なスタイル一覧が表示される。

まずは「◎本文」で文章を作成する。

Wordの縦中横機能を使うことで、縦中横を設定できる。

ルビもWordの機能で設定可能。

強調したい箇所は、文字スタイルの「◎強調太字」を指定する。指定した箇所は赤く表示される。
ここまで終わったら、この段階で制作トライアルサービスで変換してみましょう。おもったとおりに変換されていないときは、超原稿用紙上で指定している内容に問題がありますので、該当箇所を修正しましょう。縦中横とルビを修正するときは、いったん削除してから再度入力し、縦中横・ルビを指定してみてください。

指定した箇所の変換結果(赤枠)。
変換結果が戻ってこないときは、文章を全選択し、「◎本文」スタイルを適用してみてください。
見出しをつけよう
本文部分の原稿が完成したら、次は見出しです。NextPublishingでは、見出しを設定している段落の文字列を目次として使います。これはEPUBもPDFも同様です。小説のように必ずしも見出しをつけない書籍もありますが、目次を作成したいのであれば見出しを設定してください。

見出しは「◎大見出し」「◎中見出し」「◎小見出し」の順に使う。見出しを設定した段落は青色で表示される。

制作トライアルサーバーでは、「◎大見出し」は章扉として変換される。
超原稿用紙で見出しを設定するときには、いくつか注意点があります。まず、見出しスタイルはレベルの順序を意識して設定する必要があります。ここでいうレベルは、「◎大見出し」>「◎中見出し」>「◎小見出し」の順に設定するという意味です。先ほども説明したとおり、NextPublishingでは目次スタイルを設定した段落の文字列を、目次の項目に使います。そのため、「◎大見出し」>「◎小見出し」のように、レベルを飛び越えて使ったり、「◎大見出し」をつけることなく「◎中見出し」から見出しをつけるとエラーになります。「◎大見出し」>「◎中見出し」>「◎小見出し」の順に見出しをつけるようにしてください。
もう一つ、今回提供している制作トライアルサービスでは、「◎大見出し」は章扉の文字列として使われるように設定しています。つまり、1レベルのみしかない見出しをつけた超原稿用紙を変換すると、すべての見出しが章扉となって変換されるのです。正式サービスでは自由にコントロールできるものですが、制作トライアルサービスの制約だと考えてください。
画像を入れよう
超原稿用紙には画像も入れられます。縦組の場合、ひとつの画像ファイルはページ単位で表示されるという仕様上の制限があります。PDFの場合、画像ファイルは超原稿用紙で挿入した位置ではなく、次ページに表示されますのでご注意ください。

◎本文の段落に画像を挿入した様子。

◎図を適用すると、正しく表示される。NextPublishingでは、この◎図を設定する必要がある。

挿入した図はページいっぱいに表示される。
なお、今回用意した制作トライアルサービスの場合、横93.25mm、縦143mmが最大サイズとなります。このサイズで画像を用意するといいでしょう。ちなみに解像度は300dpiで作成することをお勧めします。
いかがでしょうか? 小説のように文字中心の書籍であれば、制作トライアルサービスだけで簡単な書籍データを作成できます。今回はPDFにフォーカスして説明しましたが、同時にできあがるEPUBもあわせて確認してみてください。
NextPublishing制作トライアル
http://service.nextpublishing.jp/
編集部