編集のデジタル化に期待

2015年1月15日 / 電子メディア雑感

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 今年もよろしくお願いします。
 年末年始で、電子出版についてのまとめや今後の予測がいくつか発表されています。昨年のまとめとしては、「まんが」「ハイブリッド」「復刻」「セルフパブリッシング」など、今後の予測としては「定額読み放題(サブスクプリプション)」「電子図書館」「電子雑誌」などのキーワードがあがっていました。私もそんな感じだと思っています。しかし裏を見ると、まんがや雑誌以外の普通の書籍(文庫、新書、実用書、ビジネス書など)での進展の実績や予測があまり見られず、さびしい思いもありました。
 

 ・・・そう思っていたところに、NHKの年始特番「NEXT WORLD 人工知能とともに生きる未来へ」を見ました。番組では、ビッグデータを駆使した人工知能が、未来のヒット曲を予測した話や理想の結婚相手を推薦する話などを紹介していました。ヒット曲を予想できるなら、近い将来、本のベストセラーも予測できることでしょう。最新のコンピュータ技術が、企画・編集の領域に及んでいることはこのコラムでも紹介していましたが、実際の成功例が出てくるとさすがに説得力があります。
 上記の例は過去情報からの解析なので新しいアイデアや表現ができるわけではないでしょうが、ITが企画や編集の領域に本格的に活用されてきたという点は着目すべきだと思います。今後数年で、一部の編集業務は人間がやる必要はなくなり、職を奪われる事態も起きるのでしょう。しかしその一方で、コンピュータとのコラボレーションにより、これまではできなかったような斬新で面白いコンテンツ作りが可能になるように思えます。
 私は、編集はコンテンツ作りには無くてはならない業務だと思っています。編集の力が、コンテンツが世に出るモチベーションを創出するし、コンテンツ自体の質を高めてくれると考えています。特に複数人が関わるコンテンツ作りにおいては、その役割はとても重要ではないでしょうか。
 今後、編集をデジタル化するにあたっては、インターネットの特長を積極的に活かし、より多くの人や組織とコラボレーションできる仕組みを作ることが肝心だと思えます。その際は、デジタルメディアだけでなくリアルなメディア(たとえば紙の本やロケーションメディア)も組み合わせていくと、コンピュータオンリーの仕組みとの差別化が効くことでしょう。またそのほうが、時代のトレンドワード(O2O、メディアコンバージェンス、エクスペリエンスなど)とも合っていると思います。
 

 いよいよ、出版の本丸である編集の領域にデジタル化の波がやってきました。出版の真価が問われる年になる気がするし、楽しみでもあります。
 

OnDeck編集長/インプレスR&D 発行人 井芹 昌信

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