[実証実験]OnDeckリニューアルの裏側

2015年5月14日 / 実証実験レポート

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EPUBからWebに引っ越しを決めたOnDeck。今回はこの背景について紹介します。

パッケージメディアからWebメディアにお引っ越し

 2010年12月の創刊から4年半、EPUBを主メディアとして配信してきたOnDeckは、さまざまな成果を生んできました。主なものは次のとおりです。

  • EPUBフォーマットによる無料定期刊行物の発行(2010年12月)
  • Kindleフォーマットによる無料定期刊行物の発行(2011年2月)
  • EPUBからPDFフォーマットへの自動変換技術の開発( 2011年6月)
  • アマゾンジャパンでのプリント・オンデマンド版販売開始(2012年1月)
  • Send-to-Kindleを利用したKindleへの直接配信開始(2013年12月)
  • EPUBマガジン受信アプリ「EPUB STAND」の公開(2014年7月)

 このようにEPUBを主メディアとしたことでさまざまな成果が得られましたが、課題も明らかになってきました。多くの電子書籍が抱える課題と同様「ディスカバラビリティ(発見可能性)」です。特定の電子書籍ストアに紐付かないフリーEPUBという配布方法を採用したOnDeckの場合、その傾向は顕著でした。
 取材の際、「Webマガジンですか?」「アマゾンで販売しているのですか?」など、EPUBマガジンという配信形態そのものが認知されておらず、その場で読んでもらうのも一苦労してきました。また、記事の一部をWebで公開すると、それはWebサイトに公開されている記事ととられ、EPUBマガジンへの誘導にはなかなか結びつかないという問題が常にありました。
 パッケージメディアとしてのEPUBマガジンに大きな価値があるものの、新しい読者開拓がなかなか成功しない。これがOnDeckが抱えてきたジレンマであり、電子書籍が抱えるジレンマでもあります。
 今回のリニューアルでは、EPUBとWebの同時更新という方法も検討しましたが、どっちつかずの印象を読者に与えると判断し、Webを主メディアにするという結論に至りました。編集部としては、どちらもHTMLベースなので作業上の工夫はほとんどありませんが、読者の皆様へは大きな影響を与えることになるかとおもいます。

Webならではの取り組みを検討中

 Webに引っ越したOnDeckですが、しばらくはコンテンツの定期配信を中心に行う予定です。EPUBにパッケージングするかしないかの違いではありますが、編集部の作業負担がどの程度発生するのかを見極めていきます。
 並行してWebならではの取り組みも行う予定です。具体的な内容はまだいえませんが、夏までになんらかの実証実験が行えるよう進めています。
 なお、OnDeckのWebはWordPresswで作成していますので、こちらのおすすめプラグインなどありましたら、ぜひご紹介ください。

編集部

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