楽天Koboが1周年~現状報告とアマゾン追走に向けた施策を語る

2013年7月22日 / ニュース

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text: 編集部

 7月19日、楽天株式会社は1周年を迎えた楽天Koboの進捗共有セッションとしてメディア向けの説明会を開催した。開始から現在に至るまでの歩みを振り返るとともに、楽天Koboに携わる各担当者から電子出版市場でのポジション、ユーザー動向、今後に向けた施策などが語られた。

アマゾンとの差を縮めるには制作とマーケティング支援が鍵に

株式会社インプレスR&D代表取締役社長 OnDeck編集長 井芹昌信氏

株式会社インプレスR&D代表取締役社長 OnDeck編集長 井芹昌信氏


 説明会では、最初にゲストスピーチとして株式会社インプレスR&Dの代表取締役社長でOnDeck編集長でもある井芹昌信氏が登壇し、最新の電子出版市場の現状を踏まえながら「楽天Koboへの期待」を語った。
 楽天Koboを皮切りに、アマゾンのKindle、アップルのiBookstoreがサービスを開始した現状を、井芹氏は「想定されていたメジャープレイヤーが出そろったところ」とし、2012年が電子出版元年で市場の成長はこれからと見る。
 「電子書籍ビジネス調査報告書2013」(インプレスビジネスメディア発行)の調査によると、2012年度の電子書籍市場規模は729億円だが、うち新たなプラットフォーム向けの市場は368億円で前年比の3.3倍に成長しているという。この「新たなプラットフォーム向け」とは、従来からのパソコン向け(PDFなど)やフィーチャーフォン向け(XMDFや.bookなど)に対して、ここ数年で登場したスマホやタブレット、専用端末のことで、フォーマットとしてはEPUBなどが含まれる。
 これらの新たなプラットフォームが今後の電子書籍市場の中心となり、ほとんどを占めることになると予想されている。特にEPUBは、世界標準のフォーマットとして出版社やストアの対応が進んでおり、現状を「EPUBへの移行期」とする。独自フォーマットのKindleも元データとしてEPUBを利用できるため、楽天Kobo、Kindle、iBookstoreが対応していることになり、国内各社も続いている。
 井芹氏は、ストアのシェアでは「Kindleが圧勝で、2位以下とは圧倒的な差がある」としながらも、世界に先駆けて最新のEPUB3を全面的に採用した楽天Koboを評価した。一方で、サービススタート時の評価が芳しくなかったことは事実であり、「高い目標を掲げつつも、準備が間に合わないまま見切り発車した印象」と語る。
 今後、先行するKindleに追いつくためには、当初語られていたワールドワイドでの販売機能やセルフ出版サービス(Kobo Writing Life)の実現が鍵になるのではないかと見る。
 「楽天Koboに期待することは、どう作って売るかという点。出版社向けの電子書籍制作支援やマーケティング支援が必要ではないか。この点でアマゾンは先行している。楽天は、オンラインショップをやりたい人に向けてプラットフォームを提供するビジネスから始まった企業。初心にヒントがあるのではないか」と井芹氏は締めくくった。

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