富田倫生氏「お別れの会」の報告
2013年10月2日 / ニュース
text:編集部
「青空文庫」の呼びかけ人・富田倫生氏の追悼イベントが、9月25日に東京會舘にて行われた。主催は、富田倫生追悼イベント実行委員会(共同代表:富田晶子氏、青空文庫の八巻美恵氏)。イベントは、「青空文庫の夢:著作権と文化の未来」と題した講演と、富田氏のお別れ会「ありがとう富田倫生さん」の2部構成で行われた。
第1部の講演やパネルディスカッションについては、すでにINTERNET Watch(http://internet.watch.impress.co.jp/docs/event/20130926_616972.html)などのネットメディアで詳しく報じられているので、ここではお別れの会の様子をお伝えしたい。
日本のパソコン産業創業メンバーからも賛辞
「お別れの会」はパーティ形式で行われ、第1部同様に大勢の人が詰めかけた。富田氏は今は青空文庫の世話人として有名だが、『パソコン創世記(1985年、旺文社刊)』の著者としての大きな業績もある。富田氏は、日本のパソコン産業の黎明期からジャーナリストとして活動されており、お別れの会では元アスキー社長の西和彦氏、初代マイクロソフト株式会社社長の古川享氏、日本初のマイクロコンピュータであるTK-80の開発者、元NECの後藤富雄氏など、パソコン産業を創ってきた重鎮からも、その業績への賛辞と別れを惜しむメッセージが寄せられた。
その中で田原総一郎氏は、当時出版された『パソコンウォーズ』などでの技術情報は富田氏の取材によるもので、とてもすばらしい影のライターだったと披露された。
青空文庫の大久保ゆう氏は、富田氏の意思を継いで「著作権保護期間延長問題」に異を唱えていきたいこと、青空文庫の今後の課題として注記入れなどの作業をコンピュータ化していきたいことなどを話された。
※青空文庫を支援するための「本の未来基金」が創設されています。賛同される方は以下でお申込みください。
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